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口呼吸が与える健康被害!?世田谷区新代田の歯医者 Growth Dental Shindaita

こんにちはGrowth Dental Shindaitaです。

今日は口呼吸が起こす健康被害について説明します。

小児期の口呼吸が脳と口腔に与える影響

子どもの成長にとって、呼吸の仕方は非常に重要です。本来、人間は鼻呼吸をすることで酸素を効率よく取り込み、体の機能を正常に維持する仕組みを持っています。しかし、小児期に口呼吸が習慣化すると、脳の発達や学習能力、歯並びや顎の成長に大きな影響を与えることがわかっています。

特に成長期の子どもは、脳も体も発達の途中にあるため、呼吸の方法ひとつで将来の健康状態が左右されることもあります。本記事では、口呼吸が脳機能と口腔環境に及ぼす影響について詳しく解説し、その改善策についても触れていきます。

1. 口呼吸が脳に与える影響

1-1. 酸素供給の低下による脳の発達遅れ

脳は私たちの体の中でも最も酸素を消費する器官のひとつです。特に子どもの脳は発達途中であり、十分な酸素供給が必要不可欠です。鼻呼吸をすると、鼻腔を通った空気が加湿・浄化され、効率よく肺に届くため、酸素がスムーズに血液へと供給されます。しかし、口呼吸になるとこの過程が省かれ、酸素の取り込み効率が低下することがあります。

酸素が不足すると、脳の発達が遅れる可能性があり、集中力や判断力の低下につながることが指摘されています。特に小学校低学年のうちは、脳の神経回路が活発に作られる時期なので、この影響は大きいと考えられます。

1-2. 学習能力や集中力の低下

酸素供給が不足すると、脳の働きが鈍くなり、記憶力や集中力の低下につながります。例えば、授業中に注意が散漫になりやすい話を聞いていても理解しにくいといった問題が発生することがあります。

また、酸素が不足した状態が続くと、感情のコントロールが難しくなり、イライラしやすくなることもあります。小児期にこうした状態が続くと、学習に対するモチベーションが下がり、勉強への意欲が低下することが懸念されます。

1-3. 睡眠の質の低下

口呼吸をしている子どもは、睡眠中にいびきをかきやすい傾向があります。さらに、重度の場合は**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**を引き起こすこともあります。これにより、睡眠の質が悪化し、脳がしっかりと休息を取れない状態になります。

睡眠の質が低下すると…
✅ 朝起きたときに疲れが取れていない
✅ 日中に強い眠気を感じる
✅ 集中力が続かず、学校の授業についていけなくなる

睡眠が浅いと、成長ホルモンの分泌も減少し、体の発育に悪影響を与えることもあります。これは、身長の伸びが悪くなる原因にもなるため、小児期における口呼吸の影響は無視できません。

2. 口呼吸が口腔環境に与える影響

2-1. 歯並びと顎の発達への影響

口呼吸をしていると、舌の位置が下がるため、上顎の成長が阻害されることがあります。本来、舌は上顎にぴったりとくっつき、上顎の骨の発育をサポートする役割を持っています。しかし、口呼吸を続けていると舌が下に落ちてしまい、結果として上顎の成長が不十分になるのです。

その結果、以下のような問題が発生することがあります。

歯がガタガタに生えやすくなる(叢生)
上の前歯が前に出る(出っ歯)
下顎が前に出てしまう(受け口)
奥歯は噛み合うのに前歯に隙間ができる(開咬)

こうした問題が長期間続くと、将来的に矯正治療が必要になる確率が高まるため、早い段階での改善が求められます。

2-2. むし歯や歯周病のリスク

口呼吸をすると、口の中が乾燥しやすくなり、唾液の分泌量が減少します。唾液は、むし歯や歯周病の予防に重要な役割を果たしているため、唾液が減ることで口内環境が悪化しやすくなります。

むし歯ができやすくなる(唾液による再石灰化が十分に行われない)
歯茎が炎症を起こしやすくなる(歯周病のリスクが上昇)
口臭が発生しやすくなる(細菌が増殖しやすくなる)

特に小児期は、歯のエナメル質が大人よりも柔らかいため、むし歯になりやすい傾向があります。そのため、口呼吸による口腔乾燥は早めに改善することが重要です。

2-3. 発音への影響

口呼吸の子どもは、舌の位置が正しくないことが多く、発音に影響を与えることがあります。特に、「サ行」「タ行」「ラ行」の発音が不明瞭になりやすい傾向があります。

舌足らずな話し方になる
発音が不明瞭で聞き取りにくい
言葉の発達に遅れが生じることがある

発音が不明瞭なまま成長すると、自分の話し方にコンプレックスを感じることもあるため、早めに改善することが大切です。

3. 口呼吸を改善するための対策

鼻呼吸を意識する習慣をつける
寝るときに口テープを使用する
耳鼻科で鼻づまりの治療を受ける
口周りの筋肉を鍛える(あいうべ体操、ガムを噛む)

4. まとめ

小児期の口呼吸は、脳機能と口腔環境の両方に悪影響を及ぼす可能性があります。酸素不足による学習能力の低下、睡眠障害、歯並びの乱れ、むし歯や歯周病のリスク増加など、長期的に影響を与えることが多いため、できるだけ早めの対策が重要です。

普段から鼻呼吸を意識し、正しい口腔習慣を身につけることが、将来の健康につながるということを、親子で一緒に考えてみましょう。

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