一般歯科
虫歯治療について
虫歯は、お口の中に存在する細菌が原因で発生します。歯磨きが不十分で磨き残しがあると、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊が形成されます。これらの細菌は、食べかすを栄養源として酸を生成し、徐々に歯を溶かしていきます。これが虫歯のメカニズムです。
初期の段階の、歯が少し溶けた状態(脱灰)であれば、唾液の再石灰化作用により、健康な歯質に戻る可能性があります。しかし、脱灰の進行速度が再石灰化作用を上回ると、エナメル質に穴が開いてしまいます。
当院の虫歯治療の特徴
マイクロスコープで
虫歯菌を根こそぎ排除
歯の表面にある虫歯治療では肉眼で十分確認しながら治療を進めることができるのですが、中には歯の根管(根っこの奥深くの部分)にまで虫歯菌が及んでいることがあります。その場合、肉眼で菌を確認することはかなり難しいのですが、当院ではマイクロスコープを使用して根っこの治療にあたります。
歯科用顕微鏡であるマイクロスコープは、お口の中を肉眼に比べて数十倍にまで拡大でき、さらに患部を明るく照らすこともできるので、歯の奥の方にある虫歯菌もしっかり取りきることができます。
虫歯になる原因
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細菌
虫歯菌が増えると、虫歯になるリスクが高くなります。予防のためには、セルフケアに加えて、歯科医院での定期的なメインテナンスを通じて、お口の中の細菌量をコントロールすることが重要です。
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糖質
虫歯菌は糖を栄養源として増殖し、お口の中に酸を放出します。歯は酸に弱く、簡単に溶けてしまいます。糖質の過剰摂取には注意し、食後は必ず歯磨きをするよう心がけましょう。
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歯質
歯磨きを丁寧に行っても、歯質が弱ければ虫歯のリスクが高くなります。定期的にフッ素塗布を行い、歯質を強化することで、虫歯に負けない強い歯を作ることができます。
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時間
糖分に晒されている時間が長かったり、間食が多くて酸性状態が続いたりすると、虫歯のリスクが高まります。糖分の摂取後は、なるべく早めに歯磨きを行うことが大切です。また、就寝前の歯磨きを怠らないようにしましょう。
虫歯の進行度と治療方法
- CO
初期の虫歯
初期の小さな虫歯では、白っぽく濁って見えることがあります。
治療法
虫歯菌による影響が少ないため、クリーニングやフッ素塗布などを行い、できるだけ削らずに経過観察を行います。
- C1
エナメル質の虫歯
歯の表面のエナメル質が溶かされ、虫歯が徐々に進行している状態です。
治療法
多くの場合、虫歯を正確に削り取り、詰め物をします。状況によっては、削らずに定期的なチェックを行うこともあります。
- C2
象牙質の虫歯
エナメル質の奥の象牙質まで細菌が進行している状態です。象牙質は神経に近いため、食べ物や飲み物の温度刺激により、知覚過敏として歯がしみるようになります。
治療法
基本的には、虫歯を削り取り、詰め物をします。症例によっては、歯を大きく削り、被せ物を装着することもあります。
- C3
神経まで侵された虫歯
歯の神経が虫歯菌に感染し、強烈な痛みを引き起こします。歯の根や先端に膿が溜まっていることもあり、口臭の原因にもなります。
治療法
根管治療を行うのが基本です。細菌に感染した組織を除去・清掃・殺菌し、被せ物を装着します。
- C4
歯の根まで達した虫歯
歯の大部分が失われている状態です。根の先端に膿が溜まっていると、顎の骨や周囲の歯に悪影響を及ぼし、非常に危険です。
治療法
多くの場合、抜歯を検討します。抜歯後は、部分入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療をご提案します。
歯の神経治療(根管治療)
根管治療は、虫歯が神経まで到達し、歯の内部で感染が広がってしまった場合に行う治療法です。
根管治療では、まず根管内に蓄積した汚染物質や感染した神経を徹底的に除去します。
その後、根管を隅々まで丁寧に洗浄・消毒し、薬剤を充填することで、再感染を防ぎます。
根管治療が完了したら、支台を形成し、最終的に被せ物を装着して治療を終了します。
根管治療は高度な技術を要する治療ですが、当院では歯科用顕微鏡マイクロスコープを使用し、熟練した歯科医師が細心の注意を払って行います。
歯の見た目の美しさを
追求したい方へ
虫歯の治療で歯を削った部分は、保険適用の白い詰め物や被せ物で補うことができます。しかし、より自然な見た目や強度を求める患者様には、セラミック素材の詰め物・被せ物がおすすめです。セラミックは、光の透過性や色調が天然歯に非常に近く、周囲の歯になじみやすいのが特徴です。
保険適用外の治療となりますが、審美性と機能性を兼ね備えた、理想的な歯を手に入れることができます。詳しくは、当院の審美歯科ページをご覧ください。
歯周病治療について
歯周病は、歯垢(プラーク)に潜む歯周病菌が原因で発症する、歯ぐきの炎症性疾患です。放置すると、歯を支える歯槽骨が徐々に溶かされ、最終的には歯を失う原因となる可能性があります。
実際、歯を失う原因として最も多いのが歯周病だと言われています。
初期の歯周病では、自覚症状がほとんどないのが特徴です。重症化すると治療も困難になるため、自覚症状がない段階でも定期的な歯科検診を受けることが大切です。
当院の歯周病治療の特徴
歯周病治療に高性能な
レーザーを
使用しています
当院では、歯周病治療において最新のエルビウムガスレーザーを積極的に活用しています。エルビウムガスレーザーは、治療時の腫れや出血を抑制する効果があるため、患者様に安心して治療を受けていただくことができます。
当院で使用しているエルビウムヤグレーザーは非常に痛みが少なく、キーンガリガリなどの不快な音や振動がせず静かで、大変人にやさしいといわれている治療なのです。
歯周病になる原因
歯周病は、歯と歯肉の間に溜まる歯垢(プラーク)が原因で発症する病気です。プラークは、食べかすや唾液、細菌が混ざり合ってできる粘着性の高い物質で、歯ブラシだけでは取り除きにくいのが特徴です。プラークを放置していると、時間の経過とともに歯石へと変化し、歯周病の進行を加速させます。
歯石は、プラークよりもさらに硬く、歯ブラシでは除去できません。そのため定期的な歯科検診で、歯科医師や歯科衛生士による専門的なクリーニングを受けることが大切です。
歯周病と全身疾患の関わり
歯周病は、全身の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。歯周病菌は、歯ぐきの毛細血管などから体内に侵入し、強い毒素を放出しながら全身を巡ります。その結果、動脈硬化に伴う心筋梗塞などの心臓病や、糖尿病の発症・進行との関連性が指摘されています。
【歯周病が影響するといわれる疾患】
- 糖尿病
- 心筋梗塞
- 誤嚥性肺炎
- 早産、低体重児出産 など
歯周病の進行
- 第一段階
歯肉炎
細菌の毒素により歯ぐきに炎症が生じ、赤く腫れた状態です。痛みなどの自覚症状はほとんどありません。この段階でのクリーニングやメインテナンスを怠ると、症状がさらに悪化してしまいます。
- 第二段階
軽度歯周炎
歯ぐきに軽度の炎症が生じ、歯磨き時に歯ぐきから出血することがあります。歯と歯ぐきの間には歯周ポケットが形成され、歯垢や歯石が付着しやすくなります。
- 第三段階
中等度歯周炎
歯周病菌により歯槽骨が溶かされ始めています。歯周ポケットも深くなり、汚れが溜まりやすい状態です。口臭が気になったり、歯がグラつく感覚を覚えたりすることが増えてきます。
- 第四段階
重度歯周炎
歯槽骨の半分以上が破壊され、歯を支えることが難しくなっています。歯を指で押すとグラつきがはっきりとわかり、歯ぐきから膿が出ることもあります。歯が抜け落ちるリスクが高いため、迅速な歯科治療が必要です。
歯周病の治療方法
歯周基本治療
歯周病治療の最初のステップは、歯周基本治療です。この治療では、歯科医師や歯科衛生士が歯垢や歯石を丁寧に取り除きます。歯垢は細菌のかたまりで、歯石はそれが石灰化したものです。これらを放置すると、歯肉の炎症を引き起こし、歯周病が進行してしまいます。
歯周基本治療では、スケーリングとルートプレーニングという処置が中心となります。スケーリングは、歯の表面や歯肉の下に溜まった歯垢・歯石を特殊な器具で取り除く処置です。ルートプレーニングは、歯の根の表面に付着した歯垢や感染した組織を除去し、歯周ポケットを浅くする処置です。
また、歯ブラシの正しい使い方をお伝えするブラッシング指導も歯周基本治療の重要な要素です。毎日のセルフケアを適切に行うことで、歯周病の進行を防ぐことができます。
多くの場合、歯周基本治療によって歯肉の炎症は改善し、歯周ポケットも浅くなります。しかし、中等度以上の歯周病の場合は、歯周基本治療だけでは十分な改善が得られないケースもあります。そのような場合は、歯周外科治療が必要です。
歯周外科治療
歯周外科治療は、歯肉を切開して歯の根を直接見ながら、肉眼では取り除けない歯石や細菌の毒素を徹底的に除去する治療法です。代表的な歯周外科治療としては、フラップ手術があります。
フラップ手術では、歯肉を剥がすように切開し、歯の根を露出させるのが特徴です。そして、歯根に付着した歯石や感染した組織を完全に取り除きます。場合によっては、必要な処置が終わったら、歯肉を元の位置に戻して縫合します。
当院では、歯周外科治療において、患者様の負担を最小限に抑えるため、微小な切開で行うマイクロサージェリーを採用しています。従来のフラップ手術と比べて、術後の腫れや痛みが少なく、回復も早いというメリットがあります。
歯周外科治療を行えば、歯周ポケットが浅くなり、歯肉の炎症も改善します。
歯周組織再生治療
歯周病が進行すると、歯を支える骨や歯根膜が溶けて失われていきます。歯周組織再生治療は、そうして失われた組織を再生させることを目的とした治療法です。
具体的には、歯周外科治療で歯肉を切開した後、失われた骨に再生材料を填入します。当院では、エムドゲインやリグロスといった、歯周組織の再生を促進する最新の薬剤を使用しています。また、骨の再生を助ける人工骨や患者様自身の骨を粉砕した自家骨などの骨補填を使用するケースもあります。
※歯周組織再生治療は、骨欠損の程度や部位によっては適応できない場合もあります。事前の診査で、CT等の画像検査を行い、適応可否を慎重に判断します。
安定期治療SPT
SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)は、歯周治療によって改善した状態を維持するための、継続的なケアプログラムです。当院のSPTでは、歯科医師や歯科衛生士が患者様のお口の状態を定期的にチェックし、必要に応じて専門的なクリーニングを行います。また、ブラッシング指導や生活習慣のアドバイスなども行い、患者様の自己管理をサポートします。
安定期治療SPT歯周病治療の料金
メニュー | 治療期間・回数 | 料金(税込) |
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歯周組織再生治療 | 約半年~9ヶ月・外科処置:1~2回 | 66,000~99,000円 |
歯周組織再生療法の注意点
- 保険診療適用外となるため自費診療の扱いになる。
- 全体的に下がっている骨は再生できない。
- 歯茎が下がってしまう場合がある。
- 糖尿病や骨粗しょう症などの方には適用できない。
- 喫煙している方は効果がほとんど得られない。