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MFT(口腔筋機能療法)とは?トレーニング法、注意点など解説【医師監修】
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「MFT(口腔筋機能療法)ってなに?」「どんなトレーニングをするの?」と疑問を持つ方は少なくありません。
聞き慣れない分野だからこそ、正しい知識を身につけておくことが大切です。
本記事では、MFT(口腔筋機能療法)の基本的な内容から、改善が期待できること、注意点、具体的なトレーニング方法まで詳しく解説します。
とくに成長期のお子さんでは、矯正治療とあわせてMFTが取り入れられることもあります。
MFT(口腔筋機能療法)とは?
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MFT(口腔筋機能療法)は、お口まわりの筋肉の使い方を整えるトレーニングです。
食べる、飲み込む、話す、呼吸するといった日常の動作がうまく働くように、練習を通じて改善を目指します。
歯そのものを動かす治療とは異なり、舌の位置やくちびるの閉じ方、ほほの使い方など、普段あまり意識しない癖に目を向けるのが特徴です。
何もしていないときに口が開いていないか、飲み込む際に舌が前に出ていないかといった点が、確認の手がかりになります。
MFT(口腔筋機能療法)が必要となるケース
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本項目では、MFT(口腔筋機能療法)が必要となるケースをご紹介します。
咀嚼・飲み込み(嚥下)に問題がある
食べ方の癖や舌・くちびるの使い方に偏りがある場合、MFTが必要となることがあります。
よく噛めずに丸のみしてしまう、食事中に口が閉じにくい、飲み込む際に舌が前方へ出るといった様子が見られるときは、お口まわりの筋肉がうまく機能していない可能性があります。
食事に時間がかかる、片側だけで噛んでいる、水やお茶で食べ物を流し込む、食べこぼしやむせが目立つといった場面は、MFTの必要性が高いケースです。
ただし、むし歯やかみ合わせの不具合、舌小帯の問題、全身の病気など別の原因が大きく関わっている場合は、まずそちらへの対応が優先されます。
指しゃぶりや口呼吸が習慣になっている
指しゃぶりや口呼吸の習慣が長く続いている場合も、MFTが必要となる代表的なケースです。
3歳を過ぎても指しゃぶりが残っている、ふだんから口が開いている、舌の位置が下がっている、前歯を舌で押す動作があるといった状態は、お口まわりの筋肉バランスが崩れているサインといえます。
起きているときも寝ているときも口がぽかんと開いている、鼻ではなく口で呼吸している、おしゃぶりの習慣がなかなかなくならないといった場面では、早めにMFTを含めた対応を検討する必要があります。
一方で、鼻づまりや扁桃の大きさなどが主な原因になっている場合は、MFTの前に耳鼻科での確認が必要です。
滑舌や発音が気になる
滑舌や発音に関する悩みも、舌やくちびるの使い方の癖が原因であれば、MFTが必要となるケースに該当します。
サ行・タ行・ラ行などが言いにくい、話すときに舌が前方へ出てしまう、口が閉じにくいといった状態がある場合は、お口の使い方そのものを見直すことが求められます。
ただし、舌小帯の問題や病気、手術後の影響など癖以外の原因が大きい場合には、MFT単独ではなく歯科の治療やことばの訓練を組み合わせた対応が重要になります。
いびき・口呼吸が気になる
いびきや口呼吸が気になる場合にも、MFTが必要となることがあります。
口を開けたまま眠っていないか、口呼吸の傾向があるか、舌やくちびるの使い方に癖が残っていないかを確認することが判断の基本です。
日中も口がぽかんと開いている、鼻ではなく口で息をしている、くちびるが閉じにくいといった様子が重なっている場合は、MFTの対象として検討されます。
ただし、いびきが強く無呼吸の疑いがある場合には、MFT単独で進めるのではなく、まず医科での評価を受けることが先決です。
なお、歯ぎしりだけが気になる場合は、別の原因も含めた評価が大切です。
舌小帯の異常がある
舌小帯(舌のひも)に異常がある場合も、MFTが必要となる代表的なケースのひとつです。
判断にあたっては見た目だけで決めるのではなく、舌が十分に上がるかどうか、食べる・飲み込む・話すといった動作に実際の困りごとがあるかどうかを確認することが重要になります。
機能面の問題が認められる場合には、MFTによるトレーニングが求められます。
一方で、舌小帯が短く見えても舌の動き自体に問題がなく、食事や発音にも支障がない場合は、まず経過観察が中心になります。
矯正治療後に後戻りが起きた
矯正治療で整えた歯並びに後戻りが起きた場合、保定装置の問題だけでなく、舌やくちびるの癖が残っていないかを確認することが大切です。
後戻りの原因が、舌で前歯を押す癖や舌の低い位置、口呼吸、口が開いた状態の持続にある場合は、歯を並べ直すだけでは根本的な解決にならず、MFTをあわせて取り入れることが求められます。
ただし、保定装置をほとんど使えていなかった場合や、装置が壊れたまま放置していた場合には、まず保定の立て直しが優先されます。
MFT(口腔筋機能療法)で改善が期待できること
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本項目では、MFT(口腔筋機能療法)で改善が期待できることをご説明します。
口元の使い方が整うことによる印象の変化
MFTによって口を閉じる力と口元の筋肉の使い方が整うと、口元の印象に変化があらわれることがあります。
くちびるを閉じる力や頬の筋肉の動きが安定すると、口元がだらっと開いた状態になりにくくなり、笑うときの口元の動きにもまとまりが出てきます。
写真を撮ったときに口が半開きにならなくなった、口のまわりが以前より締まって見えるようになったといった点が、変化の目安になります。
顎・歯の正常な発育を支える環境づくり
とくに成長期のお子さんにおいて、MFTで舌の位置や口の閉じ方、呼吸のしかたを整えることは、顎や歯が正常に発育しやすい環境を保つうえで大きな意味を持ちます。
口呼吸や舌の位置が低い状態、くちびるを閉じる力の弱さといった癖を改善することで、顎顔面の発育や歯列に悪影響を与える条件が減り、噛み方のバランスも整っていきます。
歯列・咬合の安定化を支える
MFTによって舌・くちびる・頬の力のバランスが整うと、歯を望ましくない方向へ押し続ける癖が軽減され、歯並びとかみ合わせの安定化を支えることが期待できます。
こうした癖を放置したままでは、矯正治療で歯を整えても再び乱れる原因となるため、MFTは歯列・咬合の安定を支える観点からも重要です。
安静時に口が自然に閉じている、舌が前歯に触れなくなるといった変化が確認の手がかりになります。
口唇・頬・舌の筋力強化
MFTを通じて口唇・頬・舌の筋力が強化されると、口を閉じる力と舌を上あごに保つ力が整い、口元全体の動きが安定した状態へ近づくことが期待できます。
くちびるがしっかり閉じられるようになり、頬の筋肉で食べ物をまとめる動作もスムーズになります。
発音の際に舌やくちびるの動きが以前より安定したといった点で気づくことが多いです。
咀嚼・飲み込み(嚥下)機能の向上
MFTによって噛むときの口の閉じ方と舌の動きが整うと、食べ物を口の中でまとめてから飲み込むまでの流れがスムーズになることが期待できます。
丸のみや水で流し込む癖の改善につながり、噛む動作そのものも安定しやすくなります。
食事にかかる時間が短くなった、食べこぼしやむせの回数が減ったといった点が目安になります。
口呼吸の改善・鼻呼吸への移行
MFTで舌の位置と口を閉じる力が整うと、ふだんの呼吸が口中心から鼻中心へ移行していくことが期待できます。
安静時に口が開いたままになる状態が改善され、口腔内の乾燥も起こりにくくなります。
日中に口が開いていることが減った、口元を閉じた状態でいることが以前より楽になったといった点が確認の手がかりになります。
MFT(口腔筋機能療法)の注意点
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本項目では、MFT(口腔筋機能療法)の注意点をお伝えします。
効果が現れるまで時間がかかる
MFTは、その場で完了する治療ではなく、正しい舌やくちびるの使い方を繰り返し練習しながら身につけていくトレーニングです。
通院した日だけで変化が得られるものではなく、自宅での練習を毎日続けることで少しずつ癖を修正していく取り組みになります。
即効性を期待しすぎず、小さな変化を積み重ねていく意識が大切です。
矯正治療の代替にはならない
MFTはお口の機能を整えるためのトレーニングであり、歯を装置で動かす矯正治療とは役割が異なります。
食べる・話す・呼吸するといった機能が整うことで、結果的に歯並びへ良い影響が及ぶことはありますが、歯の位置やかみ合わせを直接動かす役割はあくまで矯正治療が担います。
矯正治療との組み合わせが必要かどうかを、歯科医師と相談のうえで判断することが大切です。
費用がかかる(保険適用となる場合もある)
MFTにかかる費用は、保険適用となる場合と自費となる場合があるため、事前に確認しておく必要があります。
口腔機能発達不全症や口腔機能低下症などの診断名がつく場合は、保険適用で管理できるケースもあります。
一方で、矯正治療とあわせて案内されるMFTは自費扱いになることも少なくありません。
費用面で不安がある場合は、トレーニングを始める前に総額の見通しと算定区分を歯科医院に確認しておくと安心です。
専門的な指導が必要
MFTは自己流で始めるのではなく、専門家による診断を受けたうえで、その人に合った練習内容や回数を決めてもらうことが不可欠です。
口呼吸、舌の動き、発音、食べ方の癖は見た目が似ていても原因や対処法が異なるため、最初の診断が正確でなければ、練習の方向性そのものがずれてしまう恐れがあります。
専門家のチェックを定期的に受けながら進めることが、MFTの効果を引き出すための基本です。
筋肉痛や局所刺激の可能性
MFTは重大な副作用が生じにくいトレーニングですが、舌やくちびるに負荷をかける練習が含まれるため、やりすぎた場合にだるさや軽い痛みが出ることがあります。
痛みが強い場合や違和感が続く場合には、回数や力の入れ方が合っていない可能性があります。
無理に続けず、通院時に状態を伝えて指導内容を見直してもらうことが大切です。
MFT(口腔筋機能療法)の主なトレーニング例
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本項目では、MFT(口腔筋機能療法)のトレーニング方法を解説します。
以下でご紹介するのは代表的な例であり、実際の内容や回数は、目的や状態に応じて個別に調整されます。
また、成長期のお子さんでは、必要に応じてプレオルソや拡大床などの装置と並行して進めることもあります。
スポットポジション(舌の正しい位置保持)
スポットポジションは、舌の先を上あごの決まった場所に置く感覚を覚え、安静時の正しい舌の位置を身につけるための基本的なトレーニングです。
前歯を舌で押す癖や、舌が下に落ちた状態が続く癖を改善し、ふだんから舌を上あごに置ける状態を目指します。
まず鏡を使って上の前歯の少しうしろにあるふくらみを確認し、その場所を「スポット」として記憶します。
次に、舌の先をスポットに軽く当てた状態で数秒保持します。舌先が前歯に触れないよう注意が必要です。
ポスチャー(口腔・体幹姿勢の最適化)
ポスチャーは、舌やくちびるの安静時の状態と、食事や日常生活における体の姿勢を一体的に整えるトレーニングです。
椅子と机の高さを体に合わせ、足裏がしっかり床につく姿勢をつくったうえで、口は軽く閉じ、舌の先はスポットに置き、奥歯を強く噛みしめない状態を覚えます。
口の形と同時に座り方や体幹の安定にも意識を向けることが、効果を定着させるうえで大切です。
スラープ&スワロー(滑舌・嚥下連動訓練)
スラープ&スワローは、舌を正しい位置に上げた状態を保ちながら、水を口の中でまとめて飲み込む練習です。
飲み込む際に舌が前方へ突き出る癖や、くちびるの力に頼って無理に飲み込む癖を改善し、正しい嚥下の形に近づけることを目的としています。
自己判断で回数を増やすのではなく、歯科医師や歯科衛生士の指導のもとで進めることが大切です。
口周囲筋トレーニング
口周囲筋トレーニングは、口を閉じる力と頬・舌の動きを整えることで、食べる・飲み込む・話すといった動作を安定させるための練習です。
鏡を見ながら口をすぼめる動きと「イー」と横に広げる動きを繰り返し、必要に応じて頬をふくらませる動作や、器具を使った保持練習へ進みます。
口元の筋力強化と日常の習慣改善を一体的に進めることがポイントです。
あいうべ体操
あいうべ体操は、MFTの一環として補助的に取り入れられることのある練習で、口のまわりと舌を大きく動かすことで、口を閉じる力と舌の可動性を高めることを目指します。
「あー」「いー」「うー」「べー」と順に大きく動かし、口元をしっかり動かす感覚をつかんでいきます。
回数は無理のない範囲から始め、目的や状態に応じて調整します。
鼻呼吸トレーニング
鼻呼吸トレーニングは、口を軽く閉じた状態で鼻から楽に呼吸する形を、日中の安静時から少しずつ定着させていく練習です。
まず静かな場面で口を軽く閉じ、鼻だけで無理なく呼吸できるかを確認します。
鼻づまりや扁桃の肥大がある方は、無理に口を閉じ続けるのではなく、先に耳鼻科で原因を確認することが大切です。
べろ回し
べろ回しは、MFTの一環として補助的に取り入れられることのある練習で、舌を口の中で大きく動かすことで、舌・頬・くちびるの動きをまとめて整えることを目指します。
口を軽く閉じた状態で、くちびるの内側をなぞるように舌をゆっくり大きく一周させます。
右回しと左回しを同じ回数ずつ行い、無理のない範囲で続けることが大切です。
咀嚼・発音・呼吸機能訓練
咀嚼・発音・呼吸機能訓練は、食べる・話す・息をするという3つの動作を一体的に整えていくトレーニングです。
食事では口を閉じて噛むことを意識し、発音では「パ・タ・カ・ラ」をはっきり繰り返し、安静時には鼻で楽に呼吸できるかを確認します。
鼻で息をする際に苦しさを感じる場合は、トレーニングに先立って耳鼻科などで原因を確認することが必要です。
姿勢・呼吸指導
姿勢・呼吸指導は、舌やくちびるが正しい位置に収まりやすい体の姿勢と、呼吸のしかたを整えるトレーニングです。
背すじを伸ばしてあごを軽く引き、首と肩の力を抜いた姿勢を意識したうえで、口を軽く閉じ、鼻で楽に呼吸できるかを確認します。
自己流で無理に続けるのではなく、必要に応じて歯科医師や歯科衛生士に相談しながら進めることが安全です。
まとめ

MFT(口腔筋機能療法)は、舌の位置やくちびるの閉じ方、頬の使い方といったお口まわりの癖を、トレーニングによって整えていく取り組みです。
歯を直接動かす矯正治療とは異なり、食べる・飲み込む・話す・呼吸するといった日常の動作の改善を目指します。
MFTが必要となるのは、よく噛めずに丸のみしてしまう、口呼吸や指しゃぶりが続いている、滑舌が気になる、いびきや口の開きが目立つ、舌小帯に異常がある、矯正後に後戻りが起きたといったケースです。
改善が期待できることとしては、口元の印象の変化、顎や歯の発育を支える環境づくり、歯列・咬合の安定化、口唇・頬・舌の筋力強化、咀嚼・嚥下機能の向上、口呼吸から鼻呼吸への移行などが挙げられます。
一方で、効果が出るまでに時間がかかること、矯正治療の代替にはならないこと、費用が自費になる場合があること、専門家の指導が不可欠であることなど、事前に理解しておくべき注意点もあります。
トレーニングにはスポットポジション、ポスチャー、あいうべ体操、鼻呼吸トレーニングなど複数の方法があり、目的や状態に応じて組み合わせて進められます。
グロースデンタル新代田では、お子さんの口腔機能やお口まわりの癖についてご相談いただけます。
気になる症状がある方は、まずはお気軽にご来院ください。
