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MFT(口腔筋機能療法)とは?トレーニング法、注意点など解説【医師監修】
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MFT(口腔筋機能療法)について「どんなトレーニングなのか」「正しい方法を知りたい」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
自己流では効果が得にくく、かえって症状を悪化させる可能性もあります。
本記事では、MFTの基本から具体的なトレーニング方法、期待できる効果や注意点まで詳しく解説します。
正しい知識を身につけて、効果的なMFTを実践しましょう。
MFT(口腔筋機能療法)とは?
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口腔筋機能療法、通称MFT(Myofunctional Therapy)は、口のまわりにある筋肉を適切に機能させるためのトレーニング法です。
唇や頬、舌といった部位の動きを整えることで、本来あるべき口腔機能を回復させていきます。
私たちが日常的に行っている呼吸や咀嚼、食べ物を飲み込む嚥下、そして言葉を発する発音といった動作は、これらの筋肉が調和して働くことで成り立っています。
ところが筋肉のバランスが崩れてしまうと、こうした基本的な機能にも支障が出てきます。
歯並びや噛み合わせというと骨格の問題と考えがちですが、実は筋肉の状態が大きく関わっています。
筋肉は歯を支える土台のような役割を果たしており、この土台が不安定だと矯正治療で歯列を整えた後でも元の位置に戻ってしまう現象が起きやすくなります。
MFTではこの土台となる筋肉を鍛え直し、長期的に安定した口腔環境を作り出していくのです。
MFT(口腔筋機能療法)が必要となるケース
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本項目では、MFT(口腔筋機能療法)が必要となるケースをご紹介します。
咀嚼・飲み込み(嚥下)に問題がある
食べ物を噛む際に片側ばかりを使ってしまう習慣がある方は、顎の歪みを引き起こす可能性があります。
いつも同じ側の歯で咀嚼していると、顔全体のバランスにも影響が及びます。
食事中に頻繁にむせてしまう症状も、嚥下機能の問題を示すサインです。
飲み込む動作がスムーズに行えず、食べ物や飲み物が気管に入りかけてむせる状態が続くと、日常生活に支障をきたします。
飲み込む瞬間に舌が前歯を押し出してしまう舌突出嚥下という現象も、改善が必要な症状の一つです。
舌や頬の筋肉が協調して働かなければ、食塊を口腔から咽頭へと送り込む嚥下動作が乱れてしまいます。
この状態が長く続くと、誤嚥性肺炎のリスクが高まるだけでなく、栄養の吸収不良も引き起こします。
咀嚼効率が低下すれば胃腸への負担が増加し、胃もたれや下痢といった消化器症状が現れやすくなります。
MFTでは舌押し戻し訓練を行い、舌先を上あごのスポットポジションに軽く押し当てたまま飲み込む動作を反復します。
頬圧トレーニングでは、頬を内側から手で支えながら口角を引き締め、食塊を左右均等に転がす練習を重ねていきます。
指しゃぶりや口呼吸が習慣になっている
幼児期を過ぎても指しゃぶりが続いている場合、上下の前歯が噛み合わないオープンバイトという状態を招く恐れがあります。
指から加わる持続的な圧力によって前歯が前方に傾斜し、噛み合わせ不良が生じてしまうのです。
口呼吸の習慣がある方は、唇が開きやすく口腔内が乾燥しがちです。
鼻腔が本来持っている加湿・加温機能を使わずに空気を取り込むことで、ドライマウスや口臭が発生しやすくなります。
さらに口腔内の乾燥状態が続けば、歯周病のリスクも上昇します。
唇閉鎖訓練では、ストローを使った運動や口輪筋のエクササイズを通じて、唇をしっかり閉じる筋力を強化していきます。
指しゃぶりの代替行動として、専用プレートであるバーチャルトレーナーを装着し、唇と頬が正しい位置を保つ練習を行う方法もあります。
鼻呼吸を促すためには、鼻づまり解消体操と組み合わせた訓練が効果的です。
日中だけでなく就寝時も鼻呼吸を習慣化することで、口腔環境全体の改善につながります。
滑舌や発音が気になる
サ行やタ行、ラ行の発音が不明瞭になる症状は、日常のコミュニケーションに影響を与えます。
会話中に舌が前歯に当たってしまい、言葉の歯切れが悪くなる状態が続くと、相手に言いたいことが正確に伝わりにくくなります。
舌小帯が短い場合や、舌が下がった位置に留まる低位舌の状態では、舌の可動域が制限されてしまいます。
特に歯茎に舌先を当てて発する歯茎音が正しく出せなくなり、発音の明瞭さが損なわれます。
聞き取りづらい発音が長期間続けば、コミュニケーションに対するストレスが蓄積し、自己肯定感の低下を招く場合もあります。
舌運動訓練では、舌先で口蓋のスポット位置をなぞる動作や、左右の端まで舌を動かす運動を繰り返します。
口唇運動訓練では、唇をすぼめて閉じる動作と前後運動を組み合わせ、表情筋と発音筋の連動性を高めていきます。
鏡を見ながら「サシスセソ」「タチツテト」といった音を繰り返し発声する音声反復練習も有効です。
正しい舌の位置を身体に覚え込ませることで、自然な発音が身についていきます。
歯ぎしり・いびきがある
就寝中やストレスを感じているときに無意識に歯をすり合わせてしまう歯ぎしり、医学的にはブラキシズムと呼ばれる症状があります。
いびきは気道が部分的に狭くなることで、呼吸時に空気が振動して発生する音です。
舌や軟口蓋の筋力が低下していることも、いびきの大きな要因となります。
持続的な歯ぎしりによってエナメル質が削られていくと、知覚過敏が生じたり歯に亀裂が入ったりします。
顎関節や周囲の筋肉に慢性的な緊張が続けば顎関節症を引き起こし、口を開けにくくなる症状や顎の痛みが現れます。
いびきが重症化すると睡眠時無呼吸症候群へと進行し、日中の眠気だけでなく高血圧や心血管系のリスクまで増大してしまいます。
MFTでは頬と舌の筋力を強化する訓練を行います。
頬の内側に指を当てて口の中から頬を押し返す運動を繰り返すことで、舌や頬が気道を圧迫しにくくなります。
スポットポジション訓練では、舌先を上あごの正しい位置に軽く当てたまま10秒間キープする練習を重ねます。
睡眠中も舌が後方に落ち込まず、いびき音の軽減に役立つことが期待されます。
舌小帯の異常がある
舌の下側にある帯状の組織が短すぎる状態を舌小帯短縮、または舌リボンと呼びます。
この異常があると舌の可動域が制限され、嚥下時に舌が上あごへ十分に触れることができません。
その結果、舌突出嚥下や発音障害といった問題が生じます。
舌を動かしにくい状態では、食塊を咽頭へ送り込む力が弱まり、嚥下機能が低下します。
むせや誤嚥のリスクが増加し、食事中の不快感も強まります。
発音面では、ラ行やタ行が不明瞭になるだけでなく、舌が前歯を押してしまうことで歯列不正を招く可能性もあります。
舌可動域拡大運動では、舌を前後や左右にゆっくり伸ばすストレッチを各10回ずつ実施します。
小帯の伸張性が高まり、可動域の改善が期待できます。
スポットタッチ嚥下訓練では、舌先を常に上あごのスポット位置に当てたまま嚥下動作を行い、正しい嚥下パターンを身体に再学習させていきます。
矯正治療後に後戻りが起きた
歯列矯正によって美しく整えた歯並びが、治療終了後しばらくして元の位置に戻ってしまう現象を後戻り、またはリラプスと呼びます。
歯だけを動かしても、口のまわりの筋機能が適切でなければ、舌圧や唇・頬からの圧力が歯に不均一にかかり続けます。
後戻りが起きると、数年後に再び矯正治療が必要となり、時間や費用、身体的な負担が増大します。
噛み合わせのバランスが再び崩れることで、咀嚼効率の低下や顎関節の健康にも悪影響が及びます。
唇閉鎖筋トレーニングでは、ストローを唇で吸い持ち上げる運動を行います。
唇の内側から歯列へかかる不自然な圧を軽減し、後戻りを防止する効果が期待できます。
舌位置保持訓練として、舌を上あごのスポット位置に当て、口を閉じたまま5秒間キープする練習を日常的に行えば、舌圧が前歯にかかるのを防げます。
マウスピース型リテーナーを装着しながらMFTを実施することで、歯列の保持と筋機能の改善を同時に進められます。
MFT(口腔筋機能療法)で改善が期待できること
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本項目では、MFT(口腔筋機能療法)で改善が期待できることをご説明します。
表情筋の強化による笑顔・フェイスラインの改善
口輪筋や頬筋は、咀嚼や嚥下だけでなく、笑顔やフェイスラインの美しさを支える筋肉でもあります。
これらの筋肉が弱いと、頬が下がりやすく口角が上がりにくい、いわゆるたるみ笑顔になってしまいます。
MFTでは正しい筋の収縮パターンを学習し、普段使えていない表情筋を意識的に動かせるようにする筋活動の再教育を行います。
生活動作に組み込むことで筋持久力が高まり、表情を作る際の筋のへたりを防止できます。
脳からの指令と筋肉の反応速度が向上する神経‐筋協調性の改善により、笑顔を作る際の表情変化が滑らかになります。
表情筋が適切に機能することで、自然で魅力的な笑顔と引き締まったフェイスラインを保ちやすくなります。
顎・歯の正常な発育促進・顎関節症予防
顎骨は周囲筋からの圧力によって形づくられます。
舌や頬の圧が均等でないと、顎の幅が狭くなったり、上下の顎がずれて成長することがあります。
顎関節も筋肉のバランスで支えられているため、咀嚼筋や側頭筋の協調が崩れると、関節円板のずれや炎症が起きやすくなります。
舌圧が上顎に適度にかかることで、骨の成長が内側からも外側からも均等に刺激され、圧刺激による骨リモデリング促進が起こります。
これにより自然な横幅拡大がサポートされます。
顎関節周囲筋である咀嚼筋や側頭筋を正しく使うことで、関節円板が適正位置に保持され、ずれや炎症の再発を防止できます。
咀嚼リズムを改善し、速やかなフィードバック制御が働く神経適応により、顎の動きが滑らかになり、顎関節への過剰負荷を低減できます。
歯列・咬合の安定化・不正咬合予防
歯は筋肉の持続的な舌圧、唇圧、頬圧がバランスを保つことで、きれいなアーチ状を維持します。
筋圧の偏りがあると、歯列にずれが生じ、叢生と呼ばれるデコボコや開口、反対咬合などの不正咬合を引き起こします。
嚥下や安静時に舌を上顎に正しく誘導することで、前歯への不適切な圧力を軽減し、舌圧の再配分による後戻り防止が可能になります。
唇や頬の筋肉トーンを高めることで、歯列の外側からの圧力を均一化し、歯が内側へ移動するのを抑制する口唇・頬筋の支持強化が実現します。
咀嚼時の咬合パターンを改善し、歯列全体にかかる力の偏りを是正することで、咬合力バランスの最適化が図られ、歯の位置安定性が向上します。
口唇・頬・舌の筋力強化
口唇を構成する口輪筋、頬を動かす頬筋、そして舌を支える舌筋群は、口腔を密閉して食べ物を逃さず咀嚼や嚥下を行うための基本的な筋肉です。
これらの筋肉が弱くなると、食べこぼしや唾液の漏れ、話しづらさ、口呼吸といった問題が生じます。
MFTではまず正しい収縮パターンを脳から筋肉へ学習させ、無意識レベルでも口唇閉鎖や頬の緊張、舌の保持ができるようにする神経‐筋再教育を行います。
日常生活動作である会話時や食事時にトレーニングを組み込むことで、短時間の筋収縮ではなく長時間の筋トーニングが可能になり、口腔周囲の「ゆるみ」を防ぎます。
口唇・頬・舌を同時に動かす複合運動を繰り返すことで、これらの筋肉群が連動して働くようになり、口腔の密閉力が高まります。
筋肉同士の協調性が改善されることで、食事や会話といった日常動作がスムーズに行えるようになります。
咀嚼・飲み込み(嚥下)機能の向上
咀嚼は咬筋や側頭筋、頬筋が協調して働くことで成り立ち、嚥下は舌・咽頭筋・口唇筋が連携することで実現します。
これらの筋肉がバラバラに動いてしまうと「噛み砕き不足」や「むせ・誤嚥」を招き、栄養吸収の低下や誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
MFTでは、食塊を口腔から咽頭へ送り込むときの一連の筋収縮シーケンスを繰り返し練習します。
各筋肉が順序よく働くよう神経‐筋ループを強化することで、筋協調性の再構築を図ります。
舌や頬に加わる圧覚・位置覚を高めることで、適切なタイミングで嚥下を開始できるようになる感覚入力の改善も期待できます。
首や体幹の姿勢、呼吸と嚥下のタイミング調整も同時に行うことで、誤嚥を防ぎながら効率よく飲み込めるようになります。
口呼吸の改善・鼻呼吸への移行
口呼吸では口腔が開いた状態になり、口唇閉鎖筋が緩むため、唾液の蒸発が増加してドライマウスを招きます。
さらに歯周病リスクや口臭の悪化といった問題も生じます。
一方、鼻呼吸は粘膜による加温・加湿・フィルター機能によって、免疫的にも優れた呼吸法です。
口唇をしっかり閉じる筋力が向上すると、日常的に口が閉じやすくなり、無意識の口呼吸が減少します。
この口唇閉鎖トーニングがMFTの基本となります。頬や舌の位置を適切に保持することで口唇間隙がなくなり、鼻呼吸が自然に誘導される筋感覚再学習も進みます。
鼻呼吸と嚥下の連携訓練により、呼吸パターンが鼻優位に再設定されることで、睡眠時の口開きやいびきも軽減されることが期待されます。
MFTを通じて鼻呼吸が習慣化すれば、口腔環境全体の改善につながり、健康的な呼吸法を取り戻すことができます。
発音・滑舌の向上
舌・唇・頬は、音声を正確に作り出す発音器官として機能しています。
舌が動かしづらい状態では「サ・タ・ラ行」が不明瞭になり、唇が緩んでいると「パ行」「バ行」「マ行」がふわっとした音になってしまいます。
MFTでは舌を前後・左右に動かす運動や口蓋へのタッチ動作を再学習することで、母音・子音の切り替えがスムーズになり、可動域の拡大が図れます。
舌先や口輪筋への感覚入力を強化することで、脳からの発声指令と筋肉の反応タイミングが同期し、筋‐神経協調性の向上につながります。
会話や読み上げ練習を習慣化することで、瞬発的な動きだけでなく長時間の発声でもブレない滑舌を実現する持続的筋トーニングが可能になります。
MFTによって発音器官の機能が整えば、明瞭な発音と滑らかな会話を目指すことができます。
いびき・睡眠時無呼吸症候群の予防・リスク低減
いびきや睡眠時無呼吸は、寝ている間に舌や軟口蓋が喉の奥へ落ち込んで気道を狭めることで起こります。
この状態が繰り返されると酸素不足や日中の眠気、高血圧リスクが高まる深刻な問題です。
鼻呼吸と嚥下を組み合わせた運動により、呼吸リズムが正常化され、気道の振動が減少します。
こうした呼吸‐嚥下パターン調整によって、いびきや無呼吸の症状が軽減されることが期待され、質の高い睡眠の確保に役立つ可能性があります。
なお、いびきや睡眠時無呼吸症候群の診断・治療には医科での評価が必要となるため、必要に応じて専門医との連携が重要です。
矯正治療の補助・後戻り予防
矯正治療で歯を動かしても、舌圧や唇・頬の筋圧バランスが整っていなければ、数年で歯列が元に戻る後戻りが起こります。
後戻りは再治療のリスクとコスト増を招く厄介な問題です。
スポット位置への舌保持を習慣化することで前歯への過剰な舌圧を抑え、歯が安定したポジションで維持される舌圧の再配分が可能になります。
口輪筋・頬筋を強化し、頬側からの圧力を左右均等にすることで、歯列アーチが崩れにくい環境を作る外側圧の均一化も実現します。
適度な筋刺激が歯根膜にも伝わることで、歯と骨の結合部である歯根膜を健康に保つことができます。
この筋‐歯根膜ユニットの適応により、歯の位置が固着されやすくなり、矯正治療の成果を長期間にわたって維持しやすくなります。
MFT(口腔筋機能療法)の注意点
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本項目では、MFT(口腔筋機能療法)の注意点をお伝えします。
効果が現れるまで時間がかかる
MFTは筋機能の再教育とトレーニングの積み重ねによって徐々に効果を引き出す手法です。
そのため即効性は期待できず、少なくとも数週間~数か月の継続が必要になります。
筋肉が太くなり持久力が高まるには、一般的な筋トレと同様に一定期間の継続が必要です。
この筋肥大・持久力向上のプロセスは地道な努力の積み重ねが欠かせません。
脳が新しい動作パターンを「正しい使い方」として記憶し、日常的に無意識で行えるようになるまでには、多くの反復練習が必要だと考えられています。
食事や会話の合間に行うトレーニングを習慣化するまでにも時間を要し、忘れずに続ける工夫が欠かせません。
生活習慣への定着という課題を乗り越えることで、初めてMFTの真の効果が実感できるようになります。
焦らず継続することが成功への鍵です。
矯正治療の代替にはならない
MFTはあくまでも「歯並びや咬合を支える筋機能」を改善する補助療法であり、歯を物理的に動かす矯正装置の代わりにはなりません。
ワイヤーやマウスピースといった矯正装置とMFTは、それぞれ異なる役割を担っています。
矯正治療では歯にブラケットやアライナーを装着し、ワイヤーの力やアライナーの形状記憶力で歯を移動させます。
一方、MFTは歯並びが整った後に、舌圧や頬圧、唇圧といった筋圧のバランスを整え、後戻りを防止する役割を果たします。
両者は補完関係にあり、矯正治療で歯を動かした後にMFTで筋機能を整えることで、長期的に安定した歯並びを維持できます。
MFTだけで歯列を整えることはできないという点を理解しておく必要があります。
費用がかかる(矯正補助としては保険適用外の場合がほとんど)
日本の健康保険制度では、矯正治療の補助として行うMFTは、多くの場合保険適用外の自由診療となります。
一方で、「口腔機能発達不全症」や「口腔機能低下症」などと診断された場合には、保険診療として口腔機能リハビリテーションが行われるケースもあります。
どの範囲が保険適用となるかは医院によって異なるため、治療を始める前に確認しておくことが大切です。
自費でMFTを受ける場合の一例として、初診カウンセリング料として5,000~10,000円程度が必要になることがあります。
トレーニング指導料は1回あたり3,000~8,000円程度で、週1~2回のペースで数か月継続するのが一般的な目安です。
3か月継続した場合、期間全体の費用として合計50,000~150,000円程度になるケースもあります。
歯科医院や指導内容によって料金は大きく異なるため、治療を始める前に費用と保険適用の有無について十分に確認しておきましょう。
グロースデンタル新代田での具体的な費用や保険適用の範囲については、当院にて個別にご説明いたします。
経済的な負担も考慮に入れた上で、MFTに取り組むかどうかを判断することが大切です。
専門的な指導が必要
MFTはただ「舌を動かす」だけではなく、呼吸・嚥下・発音など複数の機能を連動させる高度なトレーニングです。
自己流で行うと、誤った動作パターンを強化してしまい、かえって症状が悪化することがあります。
口腔・顔面の筋肉は複雑に連携して動きます。
専門家である歯科医師・歯科衛生士・言語聴覚士は触診や観察を通じて、どの筋群に過緊張や弱化があるかを評価します。
この正確な筋活動パターンの把握が、効果的なトレーニングの第一歩です。
患者一人ひとりの筋力や症状に合わせて、トレーニングの回数・秒数・インターバルを調整する適切な負荷量・頻度の設定も専門家の重要な役割です。
数週間ごとに効果を評価し、プログラム内容を微調整する経過観察と調整も欠かせません。
舌圧の測定や嚥下造影検査の結果をもとに、練習方法を変更することもあります。
筋肉痛や局所刺激の可能性
MFTは本質的に「筋トレ」と同様の原理で行います。
慣れない筋活動を繰り返すことで、口唇や頬、舌に筋肉痛が起こったり、過度な刺激で粘膜が荒れることがあります。
初期段階で頬や口唇周囲に張り感や痛みを感じる筋肉痛は、数日で収まることが多いものの、痛みが強い場合は練習量を一時的に減らす必要があります。
舌先や口内粘膜に小さな傷や赤みが出る局所の過刺激も起こり得ます。
刺激が続くと口内炎を生じる場合もあるため、専門家の確認を受け、練習中止や軟膏塗布で対応します。
フォームが崩れると特定の部位ばかりを使い、筋疲労が集中してしまいます。
正しいフォーム維持の重要性を理解し、専門家が鏡や動画を用いて姿勢や口元の動きを都度チェックすることが大切です。
MFT(口腔筋機能療法)のトレーニング方法
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本項目では、MFT(口腔筋機能療法)のトレーニング方法を解説します。
スポットポジション(舌の正しい位置保持)
上あごの前歯の裏、歯茎との境界からやや後方にある膨らみのある部分がスポット位置です。
まずはこの位置を確認しましょう。
口を軽く開け、舌先をスポットにぴったりつけます。そのまま5秒間キープし、「1・2・3・4・5」と数えながら保持します。
1日に10回程度、食後や歯磨き後に実施するのが効果的です。
舌が常に正しい位置にあることで、嚥下動作や発音時の舌圧が前歯へかかるのを防ぎ、歯列の安定を助けます。
気道確保が促されることで、いびき軽減にも寄与する重要なトレーニングです。
日常生活の中で意識的に舌をスポット位置に保つ習慣をつけることで、無意識レベルでも正しい舌位置を維持できるようになります。
ポスチャー(口腔・体幹姿勢の最適化)
椅子に座るときは、足裏を床にしっかりつけ、膝は股関節と同じかやや下の高さに保ちます。
背筋はまっすぐ伸ばし、顎を軽く引いて「二重顎」にならない高さに調整しましょう。
耳と肩が一直線上にあるように、頭を前後にスライドさせて頭頸部の位置を整えます。
唇は自然に閉じ、舌はスポットに保持した状態を維持します。
体幹と頭頸部のバランスが整うと、嚥下動作や呼吸時の筋連動がスムーズになります。
不良姿勢では舌や顎関節に余分な負荷がかかり、顎関節症リスクや気道狭窄を招きやすくなります。
正しい姿勢を保つことは、MFTの効果を最大限に引き出すための基盤となります。
スラープ&スワロー(滑舌・嚥下連動訓練)
唇をしっかり閉じたまま、舌先で上あごに「スーッ」と滑らせながら「スー」と音を出すのがスラープ動作です。
母音「ア・イ・ウ・エ・オ」をそれぞれ3秒ずつ、舌を動かしながら発声します。
スラープ直後にそのまま飲み込む嚥下動作を連動して行うのがスワロー動作です。
1セット(スラープ→スワロー)を5回、1日2セット実施します。
舌の可動域が広がり、舌先から舌根部までの筋連動が強化されることで滑舌が向上します。
スラープで舌の動きを予備動作として学習し、嚥下タイミングの感覚が鋭敏になることで嚥下機能の改善も期待できます。
このトレーニングを継続することで、発音の明瞭さと飲み込みの安全性が同時に高まります。
口周囲筋トレーニング
人差し指と親指で唇を軽くつまみ、押し返すように力を入れて5秒キープする口輪筋抵抗運動から始めます。
指を離して1~2秒休憩を繰り返し、1セット10回行います。
頬の内側に小さなボールや風船を入れ、ほおを膨らませた状態で10秒キープする頬内圧エクササイズも効果的です。
息を吐きながら徐々にしぼませ、1セット5回行います。
唇の閉鎖力が向上することで、食事中の食べこぼし防止や発音時の「パ行」「マ行」が正確になります。
頬筋の強化によって舌圧バランスが整い、歯列の安定や嚥下動作の補助に寄与します。
簡単にできるトレーニングですが、継続することで着実な口周囲の筋力向上が期待できます。
あいうべ体操
「あー」と大きく口を開け、「いー」と口角を左右に大きく伸ばします。続いて「うー」と唇をすぼめ、「べー」と舌を突き出します。
この4つの動作を1サイクルとし、ゆっくり5秒ずつ×5サイクル行います。
舌、口輪筋、頬筋、咽頭筋など口腔全域の筋トーニングに効果的なトレーニングです。
口呼吸の抑制や嚥下機能の改善に加え、唾液分泌を促進することでドライマウスや口臭予防にもつながります。
シンプルな動作ですが、口腔周囲の筋肉を総合的に鍛えられる優れた体操です。
毎日の習慣として取り入れることで、口腔機能全体の向上が期待できます。
鼻呼吸トレーニング
唇を軽く閉じ、ゆっくりと鼻から4秒かけて息を吸う唇閉鎖+鼻吸気から始めます。
そのまま口を閉じたまま鼻から6秒かけて息を吐き切ります。
右手で右鼻孔をふさぎ、左鼻孔で吸気・呼気を行い、反対側も同様に実施する交互鼻孔呼吸も有効です。
この動作を1分間実施します。
鼻腔の加温・加湿・フィルター機能によって、ドライマウスや口腔内細菌増殖を抑制できます。
鼻呼吸では一酸化窒素(NO)が産生されるとされており、血管拡張や免疫機能の調整などに関与すると考えられています。
こうした働きが、いびきや無呼吸の改善に役立つ可能性も指摘されています。
鼻呼吸を習慣化することで、口腔環境だけでなく全身の健康状態の改善も期待されます。
べろ回し
口を軽く閉じた状態から始めます。
舌先を口腔内の歯列に沿って、外側から内側へと動かします。
上あご→右頬裏→下あご→左頬裏の順にぐるりと一周させましょう。
左右それぞれ20回ずつ行います。
徐々にスピードを上げながら、舌全体を使って大きな円を描くイメージで実施します。
前後左右だけでなく、円を描く動きで舌根部までしっかり動かせるようになり、舌の可動域が拡大します。
頬筋と舌筋が同時に動くため、咀嚼・嚥下時の筋連携がスムーズになる筋協調性の向上も期待できます。
「サ行」「ラ行」など、舌を幅広く動かす発音がクリアになり、発音精度も改善されます。
シンプルながら効果的なトレーニングとして、日常的に取り入れやすい方法です。
咀嚼・発音・呼吸機能訓練
ガムや専用シリコーンボールを用い、左右均等に20回ずつゆっくり噛む咀嚼訓練から始めます。
「パパパ…」「タタタ…」「カカカ…」を咀嚼中に繰り返し発声し、噛む→発音→噛むを連動させる発音訓練を行います。
咀嚼・発音の合間に、鼻から4秒吸って6秒吐く呼吸を挟む呼吸連動も組み合わせます。
咀嚼筋である咬筋や側頭筋の持久力と協調性がアップし、硬いものも噛み砕きやすくなる咀嚼力強化が実現します。
噛む動作中の発音練習で口腔内の筋連携が高まり、早口や長文読み上げでも崩れにくくなります。
咀嚼→呼吸→嚥下のパターンを体得することで、むせや誤嚥を減少させる呼吸嚥下同期の効果も得られます。
姿勢・呼吸指導
椅子に座る場合、骨盤を立て背筋を伸ばして体幹を安定させます。
顎を軽く引き、耳と肩が垂直に並ぶように位置を調整する頭頸部アライメントを整えましょう。
腹式呼吸で鼻から息を大きく吸い込み、みぞおちが膨らむのを意識する横隔膜呼吸を実践します。
ゆっくり口を閉じたまま鼻から息を吐き切ります。
腹式呼吸で横隔膜がしっかり動き、酸素交換がスムーズになる呼吸効率の向上が期待できます。
姿勢が正しいと咽頭角度が適正化され、嚥下時の誤嚥リスクが低減される嚥下連動最適化も実現します。
頭頸部の過前傾や過後傾を防ぎ、顎関節への不必要なストレスを減少させる顎関節負担軽減の効果もあります。
正しい姿勢と呼吸は、MFTの基礎として欠かせない要素です。
まとめ

MFT(口腔筋機能療法)は、口のまわりの筋肉を適切に機能させるためのトレーニング法です。
唇や頬、舌といった部位の動きを整えることで、呼吸・咀嚼・嚥下・発音といった基本的な口腔機能を回復させていきます。
歯並びや噛み合わせは骨格だけでなく、筋肉の状態が大きく関わっています。
筋肉は歯を支える土台のような役割を果たしており、この土台が不安定だと矯正治療後も元の位置に戻ってしまう後戻りが起きやすくなります。
MFTでは口呼吸や嚥下障害、発音の問題、歯ぎしり、いびき、矯正治療後の後戻りなど、さまざまなお口のトラブルに対して改善が期待されるアプローチを行うことができます。
効果が現れるまでには数週間から数か月の継続が必要ですが、正しい指導のもとで取り組むことで、長期的に安定した口腔環境を手に入れられる可能性があります。
グロースデンタル新代田では、専門的な知識を持つスタッフが患者さん一人ひとりの状態に合わせたMFTプログラムをご提案いたします。
お口の機能改善や矯正治療の効果を長く保ちたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
